第20回大会記

成蹊大学教授 成道秀雄 
(2016.9.17-18 成蹊大学)


統一論題 非営利法人研究の回顧と展望


 記念すべき非営利法人研究学会第20回大会は、平成28年9 月17日(土) から18日(日)の日程で、欅並木が秋色を帯びた成蹊大学にて開催された。今大会の統一テーマは「非営利法人研究の回顧と展望」として、102名の参加者が集まった。非営利法人研究学会(学会創設当初の名称は「公益法人研究学会」) が創立して、はや20年が経ち、総括的な意味でこの20年を振り返ると共に、将来の展望を、制度・経営・会計・税務の4 つの領域から探求することとし、白熱した議論が展開された。なお、前日の9 月16日(金)には、常任理事会及び理事会が開催された。

大会第1日目
 大会1日目には、まず会員総会が開催され、冒頭、会長である堀田和宏氏(近畿大学)による挨拶の後、担当者より種々の会務報告がなされた。このなかで次回大会の開催地が神戸学院大学とされ、その実行委員長として同学教授の宮本幸平氏が選任された。 また、学会賞及び学術奨励賞等の選考結果として、学会賞に李庸吉氏(龍谷大学)の単著『医療紛争の法的分析と解決システム―韓国法からの示唆―』(晃洋書房)、学術奨励賞に佐藤恵氏(千葉経済大学)の論文「非営利組織会計の純資産区分に関する試論―財務的弾力性の観点から―」(『非営利法人研究学会誌』Vol.18所収)を選定した旨を発表し、授賞式を執り行った。
 これに加え、研究学会創立20周年を記念して、創設時より継続して支援を行ってきた全国公益法人協会への感謝状及び記念品の贈呈式も行われた(次頁写真)。統一論題報告 統一論題報告は、総合司会に小島廣光氏(星城大学)を迎えて行われた。まず、吉田忠彦氏(近畿大学)から総論として「非営利法人制度の変遷と今後の課題」の報告があり、次に各論として江田寛氏(公認会計士)の「民間非営利法人の経営/実務家的視点からのアプローチ」、藤井秀樹氏(京都大学)の「非営利法人会計制度の回顧と展望―公益法人会計基準の検討を中心に―」、橋本俊也氏(税理士)の「非営利法人に対する税制と課題」が報告された。
 続いて20周年の記念講演として非営利法人研究学会会長である堀田和宏氏(近畿大学)の「非営利法人研究学会の20年を振り返る」が行われた。

大会第2日目
 大会2 日目は午前中に自由論題報告が行われた。自由論題は3つの会場に分かれ計8本の報告が行われた。各会場の報告者及び報告タイトルは以下のとおりである。
第1会場 401号室司会:尾上選哉氏(大原大学院大学)
 ・報告① 日野修造氏(中村学園大学)  「FASB非営利組織体会計基準改定案の検討  ―純資産の分野を中心として―」
 ・報告② 林 兵磨氏(常葉大学)  「日本の学校法人会計基準を巡る検討  ―大学の分野別考察から―」
第2会場 402号室司会:吉田初恵氏(関西福祉科学大学)
 ・報告①  千葉正展氏(独立行政法人福祉医療機構・法政大学)  「社会福祉法人改革の背景と諸問題」
 ・報告② 髙屋雅彦氏(近畿大学)  「 精神科病院における医療圏間の偏在と医療圏内のヒエラルキーの形成   ―医療法人における可視的な内部及び外部コントロールとの関連―」
 ・報告③ 李 庸吉氏(龍谷大学)  「 裁判外紛争解決手続における公正性と専門性―韓国における医療ADRを素材に―」
第3会場 403号室司会:齋藤真哉氏(横浜国立大学)
 ・報告① 出口正之氏(国立民族学博物館)  「法人格から見たチャリティ資格の国際比較」
 ・報告② 古市雄一朗氏(大原大学院大学)  「 公益認定取消しとモニタリングについての諸問題」
 ・報告③ 西村友幸氏(小樽商科大学)  「組織間分析の独立性基準」
 午後からは第1日目の統一テーマを受けてのシンポジウムが行われた。総合司会の小島廣光氏のもと、活発な質疑応答が行われた。